石井岳龍×クドカン×町田康というトリプルネームに強烈に惹かれた映画やサブカル好きのみなさま、本作の予告編の”サムさ”に観る気が萎えてしまったことと心中お察しいたします。かくいう私もそうです。明らかに売り方を間違っており、「意味がわからないからクソ」と平気で言い放つ圧倒的多数のバカによるレビューが軒並み低いのも納得です。
私は、たとえ意味がわからなくても、振り切って(やりきって)くれれば「楽しい！」と感じます。「意味不明＝クソ」という感想を持ちがちな人は観ない方がいいです。監督も脚本も原作者もその手の方々をハナから相手にしていないと思うので。このトリプルネームに1つ以上関心がある方は、ぜひ劇場での鑑賞をオススメします。中だるみはありますが、圧倒的非日常を提供してくれます。
石井監督作品の『生きてるものはいないのか』では会話がスベり散らかしてましたが、会話の魅せ方が格段に良くなってました。トヨエツと綾野剛の序盤の会話は気持ちよかった。役者陣は巧者揃いなので、笑いの取り方がテクニカルでたまりませんでした。
同じ町田康原作の『けものがれ、俺らの猿と』を思い出しました。まあ、永瀬正敏出てるしな。
