石井岳龍(聰亙)監督×町田康(町蔵)と言えば、「爆裂都市 BURST CITY」だが、あのカルト映画に勝るとも劣らない熱量とカオス。早々にぶった斬られ血飛沫が噴射するのは笑った。
カオスなラストのカタルシスを映像に落とし込むのは中々難しかっただろうけど、突然のサイケデリックな背景に、カッコよく斬り伏せるあたりのシーンは良かった。まぁ意味はわかんないけど。
しかし意味わかんないなりに解釈すれば、世界の前提を問う、という話であって、いみじくもデウス(猿)が言ってたように、そもそも根本的にこの世界がおかしいということは無視していいの？ということであって、結局のところサナダムシの中だよね、みたいな、ある種の虚無的な結論ではあるが、最後のロンのセリフの通り、それでも私は自分の意志で生きて行くぜ、というようなところだろう。
町田康作品の魅力はその文体によるところも大きく、本作ではナレーションでそれを引き出そうとしてはいたが、ちょっと、やり過ぎだったかも。
