にゃんこむ

トラさん~僕が猫になったワケ~のにゃんこむのレビュー・感想・評価

3.0
作品のモチーフが猫というということで見に行きました。
レビューを観ていると主演担の方々に紛れて明らかに〇〇〇だろうという方が多くてちょっと不安でしたが、想像していたよりは良かったです。
原作がkindleで期間無料で観れたので、ちょっとだけ予習していきました。

〇猫の漫画をヒットさせアニメ化までした主人公の男性。けれどその後は鳴かず飛ばず。最終回を迎える前にその漫画も打ち切りに……。ギャンブルに明け暮れ家計費にも手を出し、ギャンブルで大勝したはいいけれど、風に飛ばされたお金を拾おうとしてトラックに轢かれてしまう。死んだと思ったのに、気が付くと男性は”関所”の役割をするという場所にいて……。

主役の『トラさん』役は金時君。
「猫忍」で初デビュー初主演した猫ちゃんです。落ち着いた佇まいがグッド!

トラさんが来る前に家にちょっと上がった野良ネコはセルカークレックスのトム君。
「旅猫リポート」で主演を務めた猫ちゃんで、ウェーブした被毛が特徴的。出てきてすぐにわかりました。トム君!!!!!
ニャストに関しては全然チェックしてなかったので、トム君とまた大画面で出会えたことはとっても嬉しいサプライズでした。トム君とまた会えただけでこの映画を見た甲斐がある!!!

冒頭に出てきた黒猫はスコティッシュフォールドのジャック君。スコですが立ち耳。劇中では分かりにくかったのですが、ZOOプロの写真を見ると、とてもスコちゃんらしい顔つき。

決して良い父親と言えない人物が猫になってしまうというストーリーは『メン・イン・キャット』を彷彿とさせます。
あとは『サヨナラの伝え方』など、猫に人間の意思が宿る作品は他にもありますね。人間では見えなかったことが、猫という一歩引いた立場になることによって見えてくるというのは、王道で好きです。

また、『猫は抱くもの』は舞台の『キャッツ』と同じく、実際は猫の世界を描写しているけれど、演じているのは本物の猫ではなく人間です。『猫は抱くもの』は映画でありながら、舞台のような世界観で、だからこそ魅力的な作品に仕上がっていました。
今作は元が漫画ということで、原作は漫画的な表現が多かったです。そのため、現実の猫に演技をさせるには難しい場面がいくつかありました。その点、着ぐるみを着させて人間に演技をさせれば、多少猫に無理な場面も演出できるのは良い考えだと思いました。

泣かせよう泣かせようとしてくる誘い泣きのシーン。感動させようとするBGM。そういったお膳立てされた泣き所が苦手な人にとっては微妙かも……。
あと関所のシステム雑すぎ。だいたいの映画って、何か困難が待ち受けて、それを乗り越えてラストを迎えると思うのですが、その困難が軽すぎる……。
バカリズムもっと仕事して!!お前はそんな情に流される奴じゃないだろう!!!
その他諸々もご都合主義すぎて、ちょっと萎えてしまいました。ラストのシーンは『バクマン』を観ているようで面白かったです。

見る前からわかっていたことですが、猫が出てくるけれど、猫と人間とのドラマではなく、人間同士のドラマなんですよね。その点はちょっと私には刺さらなかったです。

私的には、旅猫のトム君とまた会えただけで見て良かったなぁと思えた作品でした。トム君見るだけで泣けてくる。
にゃんこむ

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