ヒダリ

来るのヒダリのネタバレレビュー・内容・結末

来る(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

『夢見モラ夫のかぞくごっこ』
『キリキリ限界ママとブッとび性癖おじさん』
『あつまれ!お祭りレリジョンズ』
の3本のコメディを集めて、随所随所にバケツ一杯〜東京ドーム一杯くらいの振れ幅で血をブチ撒けた感じの映画。

こんなに面白い映画があるでしょうか。
1本目は絵に描いたようなパパもどきあるあるのジャブから胴体大切断という爆発オチにも近いパワー系の笑いを誘います。柴田理恵の快演は必見。ただならぬ凄みと腕パーンのお笑いを両立、芸人の底力を見ましたね。
2本目は虚空人間の夫を持った妻の悲哀と、ゆっくり締め上げる万力のような生活から逃げるように激烈NTR性癖男とのタルい沼関係になっていく、伏線が拾いやすくて全部の先がずっと見えるパート。これもあるあるネタですね。真琴チャンのベランダ出即大出血シーンが爆笑ポイント。
待ってました3本目、これがもうどっかんどっかん!!木っ端微塵の謎オバチャンシャーマンズ!本作屈指のシブい名言を繰り出すカプセルホテル泊まりの神官たち!凡そ9割の人類が想定できないホラー映画feat.Cigarettes After Sexの衝撃!それらを経てついに行われる宗教アベンジャーズVS"アレ"との抗争…そして血液大洪水!!ラスト数十分は笑顔とワクワクが止まりませんでした。最後の最後は突然のNHK、そしてあのお言葉。完全にこっちのセリフなんですけども。
難点としては、宗教シーンの詰めの激甘さですかね。群像のとこはぶっちゃけ"ぽい"格好と数の暴力で押し切れますけど、大ボスの琴子チャンがアレでは…シケた祝詞とゆっくりみたいな読経は流石に萎えるんですよね。

なんか"全部"やった映画でしたね。社会風刺やって、胸糞やって、ホラーもコメディもヒューマンドラマも…って具合。メッセージ性のスマブラ。同時にやんなくたっていいと思いますけど、腹抱えて笑ったから芯にぶっといコメディが刺さってるんでしょう。結局何が言いたいんだかわかんない映像でしたけど、笑いってそういうもんじゃないですか。カオスが一番笑いを生むんだから、これはいいコメディ映画です。久々に映画で心の底から笑いました。
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