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来るのkimeのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
5.0
まさか、こんな映画が平成の終わりに現れるとは──
もう、感激の至りです。昨今、日本のホラームービーの迷走振りといったら目に余るものがあります。何をやっても失敗、失敗。海外のホラー映画の成功がそれに拍車をかけていて、それを形だけ真似て、さらに凄惨な出来になるものも数多く存在しています。
ああ、もう日本のホラー映画、終わったな。なんて、Jホラーを一時性の流行りとして捉えていた時期もありました。しかし、この『来る』がやってくれましたよ。ほんっとにすばらしい!
外連味溢れる映像美や斬新なカメラワークは、いつもの中島哲也味のクセが非常に強いのですが、その演出諸々がホラーと極めてマッチしていて、こんなにもこの監督とホラーの親和性は高かったのかと驚嘆しました。
今までたくさんのホラー映画がありましたが、今までのホラー映画のエッセンスを吸収した、化け物映画となっています。「ホラー映画ってこういうのが良いんだろ?」と、監督の顔が透けて見えるようなので憎たらしいのですが、そのすべてがうまい具合にツボをついているので、愛らしい! もうすべて許せちゃいます。
そして原作をかなり改変しているので既読の方も未読の方も、双方をターゲットにした非常にエンタメ溢れる映画です。
新旧ホラー映画好きは劇場にいくべし!!
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