さすらいの用心棒

来るのさすらいの用心棒のレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
3.3
親子三人に降りかかる超常現象。オカルトライター(岡田准一)とキャバ嬢祈祷師(小松奈々)は調査を開始するが────


『告白』の中島哲也監督最新作。MV出身とあってワンカット毎の画の完成度が半端じゃなく、流れるようなカメラワークと編集には目まぐるしさを覚えるものの、カッコよさに痺れてしまう。

得体の知れないものの恐怖を描いた『リング』か『残穢』のような和製ホラーだと勝手に思い込んでいたけど、「ぼぎわん」の攻撃がかなり具体的な現象となって現れているので「目に見えないもの」への畏怖や恐怖はそれほどでもなく、もはやモンスターにちかい存在になっているのには面食らった。それよりも、ネットでイクメンアピールするだけの妻夫木聡や、そんな夫に不満を鬱積させる黒木華、冷徹の松たか子、ハードボイルド祈祷師・柴田理恵といった怪物たちのほうに目が行ってしまう(笑)

実は単なるホラー映画ではなく、ひとつの家族の崩壊とひとつの家族の誕生を描いた作品だということがわかるけど、色々とごちゃごちゃしているうえにバランスが悪いのが難点か。

ただ、バッサリと切る終わり方は好きだし、出演者もみんないい味出してて好きです。岩井俊二監督『リップヴァンウィンクルの花嫁』、大島渚監督『儀式』と並んで不快な結婚シーンを描いた映画トップ3に個人的にランクインです