まーろう

来るのまーろうのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
5.0
2018年公開、『告白』の中島哲也監督。
表向きはJホラーの雰囲気を漂わせながら、中盤まで「本当に怖いのは人間」であることがよく分かるドロドロの人間模様が展開しつつ、終盤では全国の霊媒師たちが集まり、怪異との全面決戦に挑むバトル漫画みたいなストーリーが熱かったです。

冒頭20分だけで、結婚式の招待客による新郎新婦への見下し、夫の田舎の親戚の集まりで小言を言われる妻、妊娠した妻の体調よりも自分が良く思われることが大事な旦那と、幽霊よりも恐ろしい地獄が繰り広げられてます。

外面のいいクズ夫役の妻夫木聡さんと、そんな旦那に振り回されて心が擦り切れ狂気に飲み込まれていく妻役の黒木華さんのお二人の演技が怪異よりもよっぽど怖かったです。

『来る』はJホラーの原則を敢えて外すことでエンターテイメントとしての面白さを追求してますね。呪いを受ける人間には理由(因縁)がある、怪異に対抗できる霊媒師(松たか子さん、柴田理恵さん)が活躍する、怪異の直接的な姿が最後まで現れない、呪いが消滅する等々。
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