ニクガタナ

あの日のオルガンのニクガタナのレビュー・感想・評価

あの日のオルガン(2019年製作の映画)
3.5
1944年、埼玉に疎開した戸越保育所の実話に基づく物語。原作通りなので文句は言わないが、オルガンが鍵にならず題名ピンと来ない。すごく朝ドラっぽい。題名は「みっちゃん先生」だ。古くさくしかったんだろうが、舞台劇みたいな堅いセリフで始まって、ちょっとやばい匂いがしたけれどもだんだん崩れるし慣れてくる。大原櫻子ってこんなに芝居できるのね。可愛らしく好演。長年山田洋次作品の共同脚本、助監督を務める平松恵美子監督以下山田組が集結して作ったような優しい出来。女優さんたちは皆キレイに撮れてて流石。戸田恵梨香が優等生キャラの主任保母を熱演。焦燥した表情、憔悴した様子などいい仕事してる。三浦透子ちゃん貫禄ついたなぁ。所長役の田中直樹が芝居大きくちょっと浮き気味。世話役の橋爪功が良い感じに重しになってる。そしてただのかわい子ちゃんじゃない素朴な魅力の幼児たちを53人も集めて、よくコントロールできたなと感心する。翻って当時の疎開の大変さが偲ばれる。
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