地底獣国

アクシデント・マンの地底獣国のレビュー・感想・評価

アクシデント・マン(2018年製作の映画)
3.3
ターゲットとなった人物を事故に見せかけて始末する暗殺業というとソイ・チェンの「アクシデント」を思い出すが、アドキンス映画なんで当然そんなニューロティックスリラーになる訳もなし。要は元カノの死が(同じボスの下にいる)知り合いの暗殺者の仕事だと気付くっていう展開のため。

元カノが妊娠していたという事を知って頭に血が上ったアドキンスが依頼者を割り出すべく実行犯の暗殺者を手始めにいろんな人たちをボコって締め上げていき、彼のルール違反を看過できなくなったボスが他の暗殺者たちに始末を指示するという、縮小版ジョンウィックのような話。

暗殺者軍団の紹介とか主人公の回想とか少し手間取ってる感があるし、主人公がこれまで殺して来たターゲットたちだって誰かの大事な人だったりもしたろうにその事にそれほど思いを馳せるでもなく最後は「俺にできるのは殺しだけ。幸い大都会は殺しの需要に事欠かない」とか言って締めるのは些かモヤる。

とはいえひとたび身体を動かし始めれば安心・安定のアドキンスアクションを魅せてくれるし、暗殺者たちみんなキャラが濃くて良かったし、アドキンスvsマイケル・J・ホワイトandレイ・パークという地味に贅沢なカード(昭和プロレスで言ったらマサ斉藤対藤原喜明という感じかな)も披露してくれたしでなかなか楽しめた一本ではある。
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