はんぺん

ヘレディタリー/継承のはんぺんのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.4
127分というホラー映画にしては長尺なので、某レンタル店で借りては観ずに返すを繰り返すこと3回…笑
何かにつけて本作品のタイトルが引き合いに出される昨今、これは観ないわけにはいかない!というわけで、重い腰を上げてようやく鑑賞。


うん、これは怖いわ。笑


最近存在を知ったスタジオ、A24。
「ルーム」や「ムーンライト」といったアカデミー賞作品も多く手がけるなか、「パーティで女の子に話しかけるには」のようなパンチのある作品、
ホラーでは「ウィッチ」「Mr.タスク」「聖なる鹿殺し」というこれまた個性的な作品を多く手がけてるようだ。

言われてみれば各作品まったく違うテイストだけど、どことなく似通った雰囲気はあるような。


さて、本作は祖母が亡くなったところから話が始まり、遺された家族の心情や絆を確かめ合うハートフルストーリー…なわけがなく、謎の多い祖母の秘密に迫っていく話。

祖母の死後、自宅や学校など家族の身の回りで様々な異変が起き始め…というプロットはベタ中のベタなんだけど、そのベタベタのベタを使って恐怖のどん底に叩き落とされる衝撃といったら、、

この恐怖の根源は、観た人全員が必ず口にする「不穏な空気感」。
この一言に尽きる。

ホラー映画において「なんだかわからないけどとても怖い」という感覚は大事だと思う。
人間の脳というのは理解できないもの、未知のものに対して恐怖感を抱くようにできているので、この作品を支配している不穏な空気感、言い表せないがジワジワと確実に襲いかかってくる〝何か〟に対して得体の知れない恐怖を感じる、、

決して画面映えする描写ばかりではないのに入り込まざるを得ない謎の没入感もあり、
それらを残したまま後半の「混沌」に満ちた展開に突入していくので、まず理解が追いついてこない。

畳み掛け方が上手すぎるんだよなぁ。
やっぱり人が人じゃない動きしてるのがめちゃくちゃ怖い、、母ちゃんの動き怖すぎる
最近はホラー映画も傑作が増えてきて嬉しいけど、その分トラウマも増えるからなんか複雑。笑

ラストシーンは個人的に好きではなかったけど、まあアリだとは思います。