回想シーンでご飯3杯いける

無実の投獄の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

無実の投獄(2017年製作の映画)
3.0
1980年にブルックリンで起きた殺人事件と、誤認逮捕によって20年の収監となった黒人青年を映画いた実話映画。真犯人も黒人青年であった事から、近年アメリカで問題になっている人種差別を背景にした冤罪とは背景が異なり、警察や検察の杜撰さが主な要因になっている。また、本作では、冤罪を晴らすべく奮闘した友人や恋人の姿にも触れている。

再審には多大な費用が掛かる為、まだ若い青年やその友人には、経済的に戦う事が出来ない。その間にも時間はどんどん経っていき、本来であれば青年にとって最も輝かしい年頃であったはず時期を、刑務所の中で過ごす事になってしまう。その様子を見ていると胸が痛む。

過剰な演出を控えた作風で、良く言えばドキュメンタリー風、悪く言えばアンビリーバボーの再現ドラマ風である。例えば裁判費用が青年や仲間の経済感覚の中でどの程度の負担になるのか? その結果、恋人や友人の生活がどのように変わってしまうのか?ぐらいは描くべきだったのではないかと思う。

1月10日から始めたamazonオリジナル作品の連続レビューは、これで14本目。その中で実話映画が7本もあった。僕は映画の中にリアリティよりも創造性を求めるので、実話物は極力避けるようにしたのだが、それでも半数が実話物。各々Filmarksの平均スコアも高く人気ジャンルとして定着している事を伺わせるが、本作を観ていると、映画そのものではなく、実際に起きた出来事が評価(注目)されているだけではないのか?という疑問もあって、少々複雑な気持ちになってしまう。