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5時から7時までのクレオのadeamのレビュー・感想・評価

5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)
2.0
左岸派と呼ばれたヌーヴェルヴァーグの一派で中心的な存在であったアニエス・ヴァルダの代表作。
自らが癌ではないかと不安を抱きながら診断結果が出るまでの2時間でパリの街を放浪する女性を描く物語です。
結果が死の宣告となり得るスリル、そのリミットが刻一刻と近づくスリルを味わえる設定が秀逸でした。
素晴らしい構図のカットがいくつも見られ、美しく生々しいパリの街並みを見事に切り取った映像は満足度高かったです。
しかし心理ドラマとして観ると不安や死の恐怖が存分に表現されているとは思えず、鏡を多用した演出もビジュアル以外の面で効果的だったのかは疑問でした。
ドキュメントタッチの退屈な会話にしては画が凝りすぎですし、時間経過を強調するならもっとサスペンスを盛り上げてほしかったです。
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