千里

詩季織々の千里のネタバレレビュー・内容・結末

詩季織々(2018年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

「君の名は。」等で知られるアニメーション映画監督の新海誠さんも所属している制作会社の「コミック・ウェーブ・フィルム」と中国のアニメ制作会社の共同制作作品。気になってはいたが、前評判にしても公開が始まってからの評判にしても特別好評という程ではなかったのでスルーしていた。しかし、知人の話を聞いて興味を持ち観賞。中国の日常や家族、青春なんかをテーマに描かれる3つの短編アニメーション。

第一幕「陽だまりの食卓」では、日々の当たり前の風景の大切さや懐かしさ。幼き頃に祖母と一緒に過ごし、一緒に食べたビーフン。時とともに様変わりして行く周りの風景や味に寂しさを感じる主人公。私自身も幼い頃は親の仕事の都合でよく祖父母の家に預けられていたし、一人暮らしをしている今でもたまに帰る実家や、祖父母の家に行くと周りの風景が様変わりしていることに寂しさを覚えるので、凄く共感出来る内容だった。ラストの展開には思わずウルウル。

第二幕「小さなファッションショー」はモデルとして活躍する主人公と、そんな主人公を支える妹や周りの人たちの話。人生生きてきたら自信をなくすこともあるけれど、自分らしく生きれるのは周りの支えがあってこそ。何かにつまづいたら周りの人のことを考えるのって大事だなって。

第三幕「上海恋」思春期の素直になれない時期のすれ違いを描いた恋物語。一度すれ違って過去を悔やんでも、縁があればまた会える。そんな風に考えて日々過ごした方がきっと景色も素敵に見えるって言ってくれてるような物語だった。

一本の映画としては何かが特別秀でているというわけではないが、暖かな気持ちになれる良い作品だった。
千里

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