ゴエフト

洗骨のゴエフトのレビュー・感想・評価

洗骨(2018年製作の映画)
3.9
すごく貴重な映像体験をさせてもらいました。

フッと息を落ち着けて地面を見渡してみれば、トンボや、ミイラになったカエルや、カマキリとか、命を終えた亡骸を容易に見つけることができます。

粟国島では火葬をしないんだそうです。
亡骸を数年後にお墓から取り出して、骨を洗う風習があるのだそう。昆虫はそのまま朽ちるのを待つけど、人間は人目につかないように隠すんですね、ある意味では。

生きてる人と死者のいる場所がハッキリと分かれているなど、自分の考えの及ばないことが数多くあってショックの連続でした。
大人でも酒を飲まないとできない人も多いらしく、自分も間違いなくそっちだなと思いました。
そこまでしてでもこれはしなければいけないこと。
死者を見つめることは祖先を見つめること。
祖先を見つめることは自分をみつめること。
今生きている自分のためにすることなんだなって。 

これは映画だ、とはわかってはいてもとても強烈でした。
思わず目を背けたくなりました。
でも、だからこそ観てよかったと思えるのです。

観たあとも、まだ心がザワザワしているのでした。
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