ゴエフト

においが眠るまでのゴエフトのレビュー・感想・評価

においが眠るまで(2024年製作の映画)
3.9
亡き父の匂いを追い求めて、父が通っていたミニシアターを巡る、という物語でした。
観たミニシアターが作品の舞台になっていて、なんとも不思議な感覚を味わうことができました。

しかも、今日が公開初日とのことで舞台挨拶にも参加できて、主演の池田レイラさんの作品の裏話も聞けて良かったです。
普段は完熟フレッシュという父娘の漫才コンビをしているそうです。

匂いというものは目には見えないけれど、嗅ぐとたちまち脳内にその時の記憶をよみがえらせる。
意識しているようで意識していない、嗅ぐという何気ない行為に自分の記憶とを重ねて想いを巡らせて観ていました。

漫画のイニシャルDやブルージャイアントは、聞こえないはずの音が脳内で不思議と聞こえてきます。
この作品も映像から匂いを感じとることができたような気がします。
それはきっと、作品の舞台と今観ている劇場が重なっている奇跡に立ち会えていたからかもしれません。
ミニシアターの匂いと、煎れたてのコーヒーの匂いと。
目と鼻で味わったこの映画体験は自分にとってとても貴重で、幸福な出来事になりました。

ミニシアターっていいよね!
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