いち麦

ラヤルの三千夜のいち麦のレビュー・感想・評価

ラヤルの三千夜(2015年製作の映画)
5.0
イスラーム映画祭3にて鑑賞。イスラエルの横暴な看守と無表情な兵士がうろつく刑務所。イスラエル側の犯罪者と、活動家らを含むパレスチナ人が一緒に収監されていて、両者の対立が塀の内側でも生々しい。身に覚えのない理由で捕らえられた若き女性ラヤルが、刑務所内で強かに生き抜き、出産を通して逞しい人間関係を築いていく姿は、さながら塀の中のインティファーダを巻き起こしていく旗手の様にも映る。母となることでの、一切男に頼らぬ女性の強さをテーマの中心に据えつつも、刑務所という舞台をメタファの様に効かせ、聖地の紛争状況をパレスチナ視点から描く意欲作。見応え充分な社会派ドラマだった。