絶対にペンギンを可愛く描いてやろうという制作陣の気合いを感じる作品。ポテポテとしたペンギンの動きやこっちを見つめる姿がとにかく可愛くて癒やされました。一番好きだったペンギンの動きは高いところから落下してべチッと転がる姿です。
そしてストーリーの方は、思ったよりもSF感強めで不思議な話でした。クスッと笑えるシーンや先の読めないストーリーは素直に楽しめたが、最終的にいきついた結論及びテーマが壮大過ぎて、わかったようなわからないような…という感覚になりました。しかし、本作は登場人物のキャラクター設定が個人的に好みで、とても良かったと思います。主人公の少年がませた小学生なんだけど、達観した性格がいい意味で現実的でなくて、キャラクターとしてちゃんと可愛らしかった。「未来のミライ」のくんちゃんがリアルな子供の表現だとすると本作の主人公はこんな子供いないだろーと思うかんじで、個人的にはこちらの少年の方が好き。なんとなく小学生達のキャラクターがドラえもんを思い出します。少年とお姉さんとのやりとりも面白く、「イライラしたらおっぱいの事を考えるようにしてる」などの迷言も笑えました。キャラクターが好きになっていたぶん、ラストの切なさが伝わってきて少し涙ぐみました。ペンギンの可愛さと年の差の恋に癒やされつつ、SFちっくで不思議な物語を楽しめてなかなか面白かったです。
