福福吉吉

希望の灯りの福福吉吉のレビュー・感想・評価

希望の灯り(2018年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
内気な青年のクリスティアンは大型スーパーマーケットの在庫管理係として働くようになった。ベテランのブルーノの指導のもと、クリスティアンは慣れないながら仕事をこなしていく。ある日、クリスティアンは職場で年上の女性のマリオンと出会い、彼女に心を惹かれていく。

◆感想◆
旧東ドイツのライプツィヒの大型スーパーマーケットを舞台に、新人のクリスティアンを始め従業員たちがそれぞれの事情を抱えながら忙しい毎日を過ごしていく姿を描いた作品となっており、どこか寒々しい周囲の風景の中で従業員たちが楽しく明るく懸命に働いていて、従業員たちの繋がりに温かみを感じました。

クリスティアン(フランツ・ロゴフスキ)は寡黙で内気な青年であり、新しくスーパーマーケットの従業員として働くことになるのですが、どうにも彼の心情が掴みにくく感じました。内気なこともありますが、どこかおっかない雰囲気をまとっていて、安心できない人物のように感じました。

しかし、在庫管理係のベテランのブルーノ(ペーター・クルト)の指導のもと、クリスティアンは職場に馴染んでいきます。ブルーノはクリスティアンに真面目に仕事を教えるだけでなく、仕事の息の抜き方もしっかり教えていて、クリスティアンが従業員として上手く立ち回る方法を伝授していました。ブルーノのような上司がいたらのびのびと働けると思える人物でした。

そして、クリスティアンは職場でマリオン(ザンドラ・ヒュラー)と出会い、すぐに恋に落ちます。マリオンには夫がいるので、クリスティアンの片思いの部分が強いのですが、それでもクリスティアンはずっとマリオンに心を惹かれ続けており、彼の思いの強さが純粋過ぎてとても危ういように感じました。マリオンがクリスティアンに対してどう思っているのか分からないですが、マリオンがクリスティアンに本気になることはないだろうなと感じました(これは私の勝手な想像ですが)。

クリスティアン、ブルーノ、マリオンが中心となって大型スーパーマーケットの毎日が繰り返されるストーリーは地味に感じるかもしれませんが、そこに従業員たちが時に楽しく、時に苦しく、様々な毎日を積み上げていく現実のリアリティが確かにあって、観ていてジーンと心にしみるものがありました。

静かなドラマなのですが、なんとも言い難い魅力があって面白いと思いました。

鑑賞日:2025年2月11日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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