KnightsofOdessa

希望の灯りのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

希望の灯り(2018年製作の映画)
2.5
[これじゃあ失望の灯り程度っすね] 50点

アキ・カウリスマキはお好きですか?はい、好きです。と監督のインタビューに書いてあった。でしょうね!以外のコメントが浮かばない。しかし、全シーンの空気感やら情景を絶妙な模倣で返している感じがどうも好きになれない。まぁ、カウリスマキも苦手なんだけどね!

冒頭の人物紹介はソシャゲのチュートリアルみたいな雑な説明と軽いノリでの人物紹介。徹底的に下ろして並べる作業を繰り返し、ゴミ箱から棄てられた食べ物を取って貪り、檻の中から煙草の煙を吐き出す。それが最終的に初めてラストで棚上に品物を上げる作業に繋げて"希望"にしたかったのかもしれんが、直後のシーンでは上を見上げたままリフトは降り続ける。んで帰結は波である。"波の音は…せんっ!!"と私は心でツッコんだわけだが、この波の演出は終始雑で背筋がざわざわしたし、帰結が波ってのも全然上手くない。

時代背景があんまり読み取れないんだけど、監督が原作小説にないシーンを捩じ込んだらしい例の"東ドイツ時代の話"が普遍的だった物語を一気に現実に引き戻した感があり、しかもそれが徹底的に邪魔だったようにしか思えない。そんなとこで背伸びして無駄に個性だそうとすんなや。

あと、主人公はどう見ても陰キャなのにパリピと酒呑みまくってるのには笑った。そんなわけあるかよ。監督は絶対パリピ出身のはず。

模倣カウリスマキは残念ながらカウリスマキには勝てていなかった。小道具(カッター、花束、タバコ、タトゥー)の使い方も下手くそ。失望の灯りって感じ。
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