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空母いぶきのkumadaのレビュー・感想・評価

空母いぶき(2019年製作の映画)
3.5
原作である漫画を知らずに本作を見ました。見応えありますね。攻撃を仕掛ける敵国が架空の国になっていますが、これを中国に置き換え、占領される島を尖閣諸島に置き換えれば、現実味を持って見ることができます。本作が描く時期は「そう遠くない未来」です。その未来においても我が国の憲法が改正されていない点がリアルです。現憲法下で中国が尖閣諸島を占領し、日本に戦闘を仕掛けてきたとき日本はどのように対処するのか、自衛隊はどのように戦うのかを描いた作品です。

自衛隊は世界的に見ても優れた戦闘能力を持つ軍隊です。日本兵の練度の高さは同盟国アメリカも評価しています。しかし、残念なことに実戦経験がありません。これは致命的です。防衛出動が発動されたとき、彼らが経験するであろう修羅場(初の戦死者、捕虜の確保、相手国の戦闘機や軍艦を実際に攻撃すること)も描かれています。本作に出てくる空母は「いずも」を想定しているのでしょうか(F35が搭載されていますね)。電子制御された各種の攻撃シーンは迫力ありました。ただ、もっと緊迫感が欲しかった(何が足りないのだろう)。夜ではなく太陽の下での戦闘を見たかった。空母や潜水艦の司令室に奥行きがないのも残念です。ラストシーンの国連軍の登場には興ざめしてしまいました。あの場面で出すべきは米国海軍でしょう。あと、コンビニのシーンは不要です。

久ぶりに日本映画を見ました。20年以上、テレビからも離れているので最近の若い俳優さんのことは何も知りません。吉田栄作と斉藤由貴を久しぶりに見てびっくり。おじさんおばさんになったねえ(笑)。
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