ゆき

母さんがどんなに僕を嫌いでものゆきのレビュー・感想・評価

3.5
理解は、気づいたほうからすべし

大好きな母からの愛が欠乏した環境で育った彼。拒絶され続ける母の愛情を取り戻すべく、大人になった彼は立ち上がるのだった。

少年期の回想を踏まえた序章部分、特にばあちゃんにぐっとくること続き。
中盤以降、友人達と出逢ってからの変化とか感情の揺れ動きをもっときっちり観たかった。
あんなに良いキャラクターづくしなのに、見事に中途半端。
伏線のようにみえる事もけっこう置き去り。
同環境で育った中での姉は?比較対象までもが文字での再来。
良い言葉もたくさんあるんです。ただ、その言葉を放つ背景が見えない。

テーマが重いだけにポップな方向へ急カーブさせた後半なのかもしれないが、お子様カレーを食べた気分だった。素材自体はおいしいはずなのに、ただただ甘い。たまに食べたくなる逸品ではあるんですが、ね。
期待しすぎたかなぁ。
ただ、一緒に行った先輩と多用したくなるパワーワードを得た。
「自己破産しよう」
ゆき

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