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ねことじいちゃんのtoshiのレビュー・感想・評価

ねことじいちゃん(2019年製作の映画)
5.0
スコア付けるべきかと悩みましたが、やっぱり素晴らしい作品だったのでMAXで付けます。というか5.0なんて低すぎる!
猫が大好きですからひいき目にはなると思います。でも今作個人的には年明けてまだ3か月経っていませんが現在のNo1作品です。

岩合監督ですから間違いないと思っていましたがここまでとは!
佐久島に住むご年配の人、若いお医者さんや郵便局員、都会からカフェを経営する為に来島したとても綺麗なマスター。そして高校生。に加えてたっくさんの猫たち。人も猫も何か優しい。そして岩合監督が撮る猫たちは何故こうも我々を癒してくれるのでしょうか。
因みに岩合監督は猫を見降ろす・・・、所謂人の目線から猫を見るという描写が殆どありません。それが我々を引き付ける一つの魅力であると思います。

妻を2年前に亡くした大吉じいちゃん。そして妻が生前拾って来た猫のタマ。一人と一匹は毎日散歩して食事して一緒に寝てと質素だけどとても幸せそう。でも些細な事だけど少しづつ変化が訪れる・・・。そして大吉じいちゃんにも・・・。更にタマまで居なくなる・・・。

何て書きましたけど内容に大きな変化はありません。映画なのならば大げさでも良いから面白くないと!と思う方には私が何故絶賛するか分からないと思います。
でも普段の生活のなかで、しかもこんなのどかなところで刺激のあるものを求めてはいけません。小さな変化がリアルでそんな中で生きている人間と猫模様が普通すぎる内容である事が今作の一番の見せどころであると私は思いました。

岩合監督の猫愛を存分に感じる事が出来ます。一つネタバレになりますが、恐らく全ての場面と言っていいでしょう。必ず猫がいます。この監督は本当に猫が好きで猫好きの人達の気持ちを分かっている方なんだなぁと改めて思いました。

終わりを告げる区切りの様な全く場面が変わってしまうエンディングと曲が流れる映画が多いですが、今作は物語をちゃんと引き継ぎ全く迎合しないエンドロールと曲であり最後の最後まで一体感ある作品として楽しめました。

猫がお好きな方は絶対観に行かなければならない作品でございます。

【余談1】
タマを演じたのがベーコン君というニャンコ。柴咲コウさん演じる美智子とじゃれる時の喉の鳴り具合がハンパありません。中々のプレイボーイだと思いますw

【余談2】
大吉じいちゃんが食事すると必ずテーブルに上がってくるタマ。そして大吉じいちゃんが寝ていて息苦しいと思ったら胸の上に座っているタマ。大吉じいゃんがモノを探していると大吉じいゃんの背中に乗るタマ。どれもこれも可愛すぎw

【余談3】
上記しましたがエンディングがとても素晴らしいです。そしてエンドロールに私は思わず心の中で「うわぁ」となってその後震える様に涙しました。何て感動的なエンドロール。でも後になってあんなところで泣くのって恐らく自分だけだろうなとなんかちょっと引きました。

【余談4】
今作は美味しそうなお料理も幾つか出てきます。豆ごはんがおいしそうだったので、今晩は豆ごはんとあさりのお味噌汁にしようとお豆とあさりを買ってきました。豆を買ってきたからと言うわけではありませんが、あさりのお味噌汁にみりんを小さじ一杯入れて仕上げるとコクが出てまろやかになります。これマメです。
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