あまんだ

博士と狂人のあまんだのレビュー・感想・評価

博士と狂人(2018年製作の映画)
4.3
英語の辞典編纂と言う壮大なプロジェクトに携わる博士号を持たない言語学者と、エリートながら心を病み、殺人を犯してしまった元軍医のアメリカ人。

「言葉」と、言うものは生き物であり、それ故、進化し続ける。一刻たりとも止まる事はなく、追い続けたとして、追い付く事も難しい。毎年、毎日、毎秒、既存の意味に新しいニュアンスでの使用方法が若者により、また、社会情勢により生まれていく。
いたちごっこのような、やれって言われても、無理です無理です!と、断りたくなるような壮大な使命に果敢に挑む博士。そして、それに感銘を受け自分の知識で協力を申し出る罪を犯した博士。
凄まじい信念であると共に、二人が出会った時に、あ、でも根底にあるのは、言語に対する愛情と言うか、オタクの魂。みたいなものを感じた。単語とその意味、用例を二人で言い合っている時、キャッキャしてて、実に楽しそう。
そこから生まれた友情、罪に向き合う苦しみ、後半は特に重厚感有りの見応え。

結局、博士没後も編纂は続き、実に70年程もかけ漸く完成。現在も、追記に追記を重ねているのだなと思うと胸熱。

上手く言えなくてもどかしいが、観賞後、浮かんだ単語は「情熱」でした。
あまんだ

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