Qちゃん

蜷川幸雄シアター2「NINAGAWA・マクベス」のQちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
初めて舞台で観た蜷川作品。日本に舞台を置き換えてもなんの違和感もないシェイクスピア作品の時代と場所を超えた普遍性にも驚かされるが、何より演出。あの桜の、この世のものと思われぬ禍々しさを伴う美しさは、娘の実花さんの作風にも影響したんじゃないだろうか。

役者の配役と演技も凄まじすぎる。特に市村、田中、吉田の3人。イギリスで観たグローブ座での演出より、蜷川マクベスは夫婦共々怯えがある。それを織り交ぜつつ破滅への運命をひた走る2人の姿、マクダフの号泣などは見応えがある。

そして全ては、2人の老婆がゆっくりと弁当を食べる間に終わる。盛者必衰の理の、なんと短く儚いことか。
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