しちれゆ

シシリアン・ゴースト・ストーリーのしちれゆのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

1993年にシチリアで起きた13歳の少年ジュゼッペの誘拐監禁殺人事件と彼を探し続け幻想の世界に入り込んで行く少女ルナ。凄惨な事件とラブストーリーを結びつけるのにはこの方法しかなかったのだろうが…。ルナがジュゼッペを思うあまり湖の中に入っていくとそこには階段があって…結局はルナは溺れて父親に助けられ精神病院に入れられて薬漬けにされる、という展開はファンタジーではなく悲劇。ルナの母親は欠損を抱えた異常な健康志向の自己中で家族を支配しルナを叩いたりするが父親はそれを黙認。そんな家庭環境がルナをジュゼッペに向かわせた元凶。愛情を注がれなかった少女の幻想というより妄想だったのかと思いたくなる。だって事が終わってみたらルナは新しいボーイフレンドとダブルデートして海岸でキャッキャと青春してるではないか(変わり身早くない?)
唯一フクロウが生の世界と死の世界を繋ぐ使者として寓意的に使われているのがファンタジー的ではあった。
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