純粋という汚れのない心は最も危うい刃となる

• #純粋な心
• #イタリア映画祭

恋愛映画という前情報しかなかったので気軽に観に行ったけれども、実際は恋愛要素よりも移民問題や立ち退き問題や宗教問題の方が比率が多く、見ていて苦しくなった。
立場は違えど、お互いに今の自分の状況から逃れたい同士。
だから惹かれあったのかな。
だとしても、どうしてお互いを好きになったのか心理描写が少なくてこちらは置いてけぼりに。
もう少し心情を知りたかった。

それにしても移民問題って深刻。
この作品ではロマ問題が描かれていたけれど、あんな好き勝手なことをされたたまったもんじゃないね。
もちろんそうじゃない難民も居るのはわかっているけれども。

私はこの2人のどちらにも共感出来なくてイマイチでした。

純粋で敬虔なカトリック信者のアニェーゼと、生活もままならず、住む家も無くなりそうな親を抱えやっと見つけた仕事も上手くいかないステファノ。

この2人がふとしたきっかけで出会い、互いに愛するようになっていく。

どこかドキュメンタリータッチだなと感じたのも理由がある。
主演2人をそれぞれが演じる役の環境でしばらく生活し、リアリティを深めたのだそうだ。

演技も役者の即興性にまかせ、脚本もどんどん変化していったのだとか。
ラストも実際の脚本とは異なるそうだが、
即興でああいう美しいシーンが出来上がったというのは素晴らしいと思う。

アニェーゼの行動は、実際トリノで発生した事件も参考にしているとのこと。

面白い才能に出会うと次が楽しみになる。