果たしてこの映画を通して何を思うべきだろう。
罪人が死を目前にしてなお、改心することに意味はあるのか。
あくまで“教誨師”が物語の主軸のため、死刑囚一人一人の罪や背景が詳しく描かれないだけに、正直思考や判断が曖昧になる部分はある。
教誨師はエゴなのだろうか。
それとも死刑囚にとって必然的な存在なのだろうか。
色んな疑問が生まれたし、その答えは出なかったけど、考えることそのものに意味があったように思う。
エンディングが魅力的だった。
キャストの皆さんの演技は素晴らしく、個人的には古舘寛治さん演じる鈴木の薄気味悪さが怖くていやに印象に残った。
鑑賞の目的だった青木柚さん、まだあどけなさはあるのに、作品の中に自然と佇んでいて、彼の演技に対する信頼感は揺るがない。