ちろる

いつか輝いていた彼女はのちろるのレビュー・感想・評価

いつか輝いていた彼女は(2018年製作の映画)
3.5
嫉妬と羨望とジレンマ。
この感情が単なる嫉妬だと何処かで分かっているのに輝いている友達を裏で非難せずにはいられない。
芸能科がある学校についてよく知らないけれど、デビューできたり、何らかの形で仕事があることでようやくこの学科にいる存在意義があるという特殊さの中で、ごく当たり前の青春時代を過ごす事が難しいのだろう。
女子高生らしい陳腐な陰口、こんなのが最初から飛び交うけれど、陰気さは不思議と感じられない。
演じる彼女たちが発する生々しさは、立場が違えど遠い昔に少なからず通り過ぎたそれであって、「今」という時間をどうにか輝かして生きようともがく姿は醜さよりは清々しさも感じる。
残酷なほどに時間はあっという間に過ぎ去って、いつの間にか陰口を言い合えたあの距離すら愛おしくなるから、この時間に感じたい負の感情も、希望も挫折も全て享受してからようやく大人になれるのだろう。
ムーラボらしく音楽の扱い方もとてもセンスが良くイヤミがない。
監督自身が通り過ぎた過去とシンクロしているような、リアリティのある描写がいくつもあった。