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若おかみは小学生!の堊のレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
5.0
・前後運動が凄まじい。カメラが手前に置かれるのは転ぶことを予告するからだし、虫に驚いて後ろに下がるためでもある。
虫に驚かなくなる→幽霊が見えなくなる→触れなくなる→カメラは静止する。


・何もない風景が「幽霊のいない風景」になるラスト。『東京物語』すぎて泣く。その説得力としての背景力(ぢから)、男鹿和雄、渡邊洋一。

・「幽霊が見えなくなることによって磨りガラス越しの灯りが幽霊の灯火に見える」→外に飛び出して引かれそうになる、このとんでもないエモさ。黒沢清ならそのまま車に轢かれてた。

・踊りとのクロスカッティングで幽霊が見えなくなっていく。『彼女は海辺で踊ってる』っぽさ…

・反射するものとしてのメガネ、鏡、水面。本作は本当に過激なので、磨かれた床、プリンの表面、温泉の岩場すらも反射する。ペンギンハイウェイを超える眼鏡映画。


・某シゲヒコが"日本映画の黄金期"だとか言ってたが『リズ』、『ペンギンハイウェイ』、『劇場版のんのんびよりばけーしょん』、『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』をみるに2018年は日本アニメ映画の黄金期だとおもう。
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