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バーフバリ 王の凱旋 ≪完全版【オリジナル・テルグ語版】≫のKuutaのレビュー・感想・評価

4.5
王の凱旋を劇場で見て以来9ヶ月ぶり。初めて完全版を鑑賞。改めて、「多少強引でも観客がノレれば良い」というバランス感覚で無駄な説明を一切しないのが気持ちいい。なんでもCGで出来ちゃう時代にどうやって観客を引きつけるのかよく考えられている。(最初の火の儀式の意味不明さと勢いが見事だが、これが最後の戦いで「26年に一度だけ」という設定含め回収される隙のなさ)。これだけの長尺なのに全く退屈しないのは、緩急の付け方も上手いんだろう。IMAXで見た結果、音も色合いも良くなった一方で、CGのショボさはちょっとだけ目に付いたが…。

画面の迫力はとにかく見てもらうしかないので、王の凱旋レビューでも書いたんですが改めてディテールを列挙します。カッタッパの苦しみ、暗殺前のバーフとのやりとりがもうたまらない。母を縛り付けてきた鎖で殴りまくるカタルシス。クマラは優秀ではないが、王家の血を流して戦う。デーヴァセーナの子守唄は表面的にはバーフに向けられている訳ではないが(身分の違いゆえ)、カット割りで2人の心が通う様を描いている。バーフの最期の言葉を知った時のシヴァガミのシーンでも同じ方法を使っている。八方塞がりの状況でシヴァガミが赤ちゃんを次の王だと叫ぶ所で思わず涙。

バーフは文字通り身を呈してデーヴァセーナを外の世界に連れ出す。白鳥の船シーンの「どこにこんな海あんだよ」感。白鳥と巨大な象の対比。などなどなど。90点。
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