チェコのJiri Vejdelek"Men in Hope"(2011)という作品のリメイクにあたるロマンティック・コメディ。原題は「風」そして「浮気」を意味するそうだ。
軽快なジャズを基調にした劇伴やクルクル交代する男女関係の演出がウディ・アレン調を感じさせるが、そのくせイナタい笑いも盛り込み、しっかり自家薬籠中の物としているところに韓流のうまさを感じる。
浮気者のタクシー運転手イ・ソンミンと、義理の弟で生真面目で流行らないレストラン経営者のシン・ハギュンの2組の夫婦に、魅力的な美女のイエルをはじめとする男女が絡んでくるという趣向。かの国ではヴェテラン俳優でもこういう軽妙なコメディに本気で出演してくれるので見応えがあることに加え、一方的に搾取される人物が発生しないよう、脚本が巧妙に練られており好感が持てる。
ソンミンが元ジェットコースターの設計者という設定となっており、人生を象徴する場として絶妙に絡めたところもニクい。
