遊

バーニング 劇場版の遊のネタバレレビュー・内容・結末

バーニング 劇場版(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

メタファーと思しきアイテムや演出が意味ありげに散りばめられまくる、考察捗り倒し映画

幼少期にヘミが落ちた井戸の話は、孤独のことだなと思った
家族にさえも、その存在すら認知されていなかったヘミの孤独をジョンスだけが一度覗き込みに来た、それを一生忘れないからヘミは整形して過去を清算したあとでもジョンスには話しかけ、関係を持ち、なにかを求めたのかもしれない
ポルノグラフィティの「君の中 苦しみや悲しみに 気づいてしまった 触れてしまった 僕はそれを恐れてたんだ」という歌詞を思い出した


お金は有り余っていて、たくさんの人間に囲まれて、次々と女性を取り替えて華やかそうに生きているベンはいつも女性が一生懸命喋っている話を興味なさそうにやり過ごしている、本質的に人生に愉しみを見出せない人間 だから最後に生からの解放を授けてくれたジョンスに深い感謝と思えるようなハグを返したのか
ヘミを捨てたあとの女性も見分けが一瞬つかないほど「ヘミっぽい女性」であることが恐ろしい 「ある程度代替可能な個性」を求められる現代社会
サザンの「割とよくあるタイプの君よ」を思い出す
自分と良く似た顔の女が自分の後釜についたことを知った時にまた深い穴に落ちたのかもしれない しかもその顔も整形によって可愛くなった顔 正面切って差し出せる個性はどこにもないのかも


「燃やす」という行為についても延々と考える余地があるな...人生を続行する上でどうしても障害となる存在を消滅させる行い?そうしなければ自分自身が消滅するしかない、この世に留まり続けるためには自己以外の何かを燃やし消していくほかないのか


監督が「今日の世界の若者たちについての物語」って言ってるらしいからドンドン考えちゃう!!他の人の考察読み漁ろ 


あとあれだ ベンがヘミに送ろうか?って言ったときのヘミとジョンスの視線の動きの演技凄すぎた 何かを言うべきだったのか 何かを求められていたのか もしあそこで行動してたら彼女は失踪しなかったのか...考えちゃうなあ
遊