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ビリーブ 未来への大逆転のtakのレビュー・感想・評価

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)
3.8
男女平等実現の為に戦い、ついには最高裁判事に上り詰めた実在の法律家ルース・ギンズバーグの物語。弁護士を志望し、ハーバード大学法科大学院を卒業したルースは、女性だからという理由で弁護士事務所に就職することができなかった。やむなく大学教授になった彼女は、男女平等について講義に力を入れるが、弁護士への夢が叶えられないのを悔しく思っていた。夫である弁護士マーティが、税の控除申請をめぐる性差別の事例を教えてくれた。この訴訟は歴史を変える一歩になると意気込んだルースは、弁護を引き受ける決心をし、アメリカ自由人権協会を巻き込んで戦いの舞台は法廷へ。

いわゆる法廷もの映画は大きく分けると、事件の真相に迫るサスペンス映画と社会的な問題に立ち向かう人間ドラマ。「ビリーブ」はもちろん後者なのだけど、単に男女平等を声高に訴えるだけの映画ではない。ずっと弁護士になりたかったルースが法廷で大きな力に立ち向かうのを、弁護士の夫だけでなく、法曹界を目指す娘も一緒に見守る姿が心に残る。お互いにないものを補い合う夫婦の様子。頼り甲斐があって、誠実そうなアーミー・ハマーの役柄はもちろん素敵なのだけど、娘の言動がルースの成長につながる過程が観ていて心温まる。家族の映画として、是非観て欲しい。

フェリシティ・ジョーンズは、「ローグワン」同様、信念をもって困難に立ち向かうヒロインが似合う。クライマックスの弁論は力がこもるいい場面。

オンライン試写会で一足先に観る幸運に恵まれた。感謝。
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