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ビリーブ 未来への大逆転のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

ビリーブ 未来への大逆転(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

アメリカ合衆国最高裁判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグの半生を描いた伝記映画。

超男性社会な法曹界に立ち向かう、主人公ルースがとにかくカッコ良かった。
女性差別に加え、病気になった夫の授業を受けたり、育児までこなすスーパーぶり。

しかし、だからと言って、彼女を単なるマッチョで強い女性として描いていないところが、本作の先進性だろう。
実際、彼女のキャリアは順風満帆だったわけではないし、時には落ち込み、諦めかけてしまう事もある。

そんな時に彼女を支えるのが、家族の存在だ。
夫のマーティンは彼女を法廷に導くだけでなく、料理をしたり、子供達へのケアも怠らない。
旧来では女性がこなすべきと考えられていた役割をさり気なく、当たり前の様にこなしている。
それを言立て強調しないのは、マーティンの様な男性が当たり前にいて欲しいという願いでもあるのだろう。
ただの色男だと思っていた、アーミー・ハマーのソフトな演技も見事だった。

また、娘のジェーンの存在も忘れてはいけない。
母親以上に過激な性格になってしまうのも面白かったし、彼女の行動がルースを勇気付けるシーンも印象的だ。
決して、ルース1人で解決するのではなく、時には男性の、子供の手を借りながら前進していく姿は、これからの新しい女性像を提示しているのではないだろうか。

女性差別ではなく、男性差別を訴えるという展開も非常に今日的で、フェミニズム映画として見る事も出来る。
今では当たり前に享受してる権利は、かつて誰かが戦い、勝ち取った権利であるという事を、本作を見れば理解出来るだろう。
そして、ルースが未来の子供達の為に戦った様に、私達もまた未来の子供達の為に戦い続けねばならないのである。
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