まりん

幸福なラザロのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

幸福なラザロ(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1980年代初頭にイタリアで実際にあった詐欺事件が元になっているそうです。

のどかな農村。求愛の歌。何も知らなければ、平和な時代の貧しくも幸せな大家族のお話と思います。
煙草に対する世論の話辺りで、ん?って思うかな。

ラザロは、愚直で、マイナスな思考が無い。
そんな彼を軽んじ、都合よく使う村の人たちは、決して善人じゃない。
幼い子供に酷いジョークを言って、泣きそうなのを見て皆で笑う。大嫌いだ。
ラザロを気に掛けているのはアントニア位。ちょっと宗教に絡めている部分は有るのだけれど、この映画に込められたメッセージを、ちゃんと理解できている自信は無い。
途中物語が一転して、ファンタジーかSFのようになる。M. Night Shyamalan監督がトリックで扱いそう。
だけど、ラザロの存在自体が最初からファンタジーだったのかもしれない。

実際、タンクレディからしたら、あの村での生活は異世界に紛れ込んだみたいなものだっただろうな。
母親が、モンスターのように思えていたかもしれない。

その後・・の変動期をラザロは知らない。まるで、浦島太郎みたいなんだよね。
色々露見して、救い出された筈なのに、決して幸せそうではない彼らの生活。タンクレディも含めて。
だから、込められたメッセージが分からない。
何故彼がああならなくてはいけなかったのか‥それが宗教的教訓なら、私には理解出来ない。ただ辛い。
そう思わせるくらい純朴だった、ラザロは凄い。
まりん

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