このレビューはネタバレを含みます
人種差別サスペンス。
黒人がKKKに加入という突飛な設定ですが、実話に基づくと書いてあって驚き。
全編、オシャレかつ緊張感のある雰囲気で、主演の2人も格好良くて楽しめました！
（アダムドライバーは分かったけど、もう1人もTENETの人か！！）
差別についても、改めて考えさせられることが多かったです。
KKKの思想ってかなり極端に思ってたけど、あの人たちって、「祖国が侵略されてる。」「白人が脅かされている」みたいな感覚でいるんですね。攻撃や憎悪の裏側には恐怖があって、だからこその「信念」や「正義」（どちらも括弧付きですが）が強くて、恐ろしい。
あの感覚って、僕たち日本人も他人事じゃないよなぁと思いました。
まだまだ人種の多様性はないけど、今後少子化や労働力不足でさらに外国の方は入ってくるだろうし。その時、僕たちも似た感覚に陥らないかなと心配になりました。「治安が悪くなる」とか、「あの事件は〇〇人がやってて」とか、そんな風になってはしまわないかなと。
ラストシーン、「ブラックパワー」と「ホワイトパワー」が連呼されるのも印象的で、白だ黒だと言い合っているうちは、分断は終わらないよなと思いました（被差別側の黒人は仕方ないとは思うけど）。もっと、包括的に、どの人種にも当たり前に人権がある、という発想でいなきゃなと。
そういう自分にも、きっとどこかに何らかの差別意識はあるだろうし、せめて、そういう暗い面には自覚的でありたいものです。
以上のように、面白いしメッセージ性も強い映画だと思うのですが、ラストの爆破シーンが思いのほかしょぼいというか、盛り上がらない感じがして、娯楽としてはあと一歩の感がありました。
ただ、この映画を純粋な娯楽として片付けてしまうのも良くない気がするので、あれはあれで正解なのかもしれません。
