このレビューはネタバレを含みます
白人至上主義の団体、KKKに潜入捜査する、黒人警官と白人警官の迷コンビの話。
映画のタッチは、明るく、コメディチックに仕立て上げられているが、問題の本質は深く、その難しさにも真正面から扱っている。
序盤で、黒人警官が、黒人の集会に潜入捜査を命じられて訪れるのだけれど、そこでの演説があまりにも強く、意味があるもので、心揺さぶられる。見ている方も、グッとくるのだけれど、それと同時に、この熱は黒人にしか伝わらないものがあるのだろうと考えさせられる。
いくら共感しているといっても同じ感情にはなれない。マジョリティに属している限り。
KKKの犯罪をギリギリに阻止しようと現場に駆けつけた黒人警官（私服）が、白人女性と格闘している時に、別の警官が黒人を犯人だと決めつけて取り押さえるところに、きっとアメリカのリアルが詰まっているのだろう。偏見がどれだけ根深く存在しているか。
エンディングの後の最後のシーンで、実際の黒人のプロテスト運動の様子、そこで起きた悲惨な事件の実際の様子が突如入れられる。そこには、映画だけで終わらせてはいけないと言う強いメッセージを感じる。
これは、現実に起きている。
