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ブラック・クランズマンのaskQのレビュー・感想・評価

ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)
4.2
「憎しみに居場所なし」。本当にその通りだと思う。やられた→報復→復讐→憎悪・・・この負の連鎖は止まらず、“憎しみ”というボールはいつまでも着地することなく飛び交い続ける。ことの発端が何だったのかなんて曖昧で、終いには「発端が何でも構わない、対象イコール悪」という超短絡的な思考に落ち着かせることで自分を確立させる。「自分の属するものは正しい」という盲信って本当に怖い。

この映画に出てくる白人至上主義の面々、思考を止めてしまったアホ集団に思えてならなかった。。。
黒人は強い?!→自分たちの地位が脅かされる→やられる前にやらねば→銃を普及させよう→自分たちが一番強い!という構図が垣間見えた。
今も蔓延するヘイトクライムや移民問題の根底にあるのも、他人(自分が属する以外)に対する無知と不寛容さだとつくづく感じる。

ストーリーは軽快で、最後まで食い入って見てしまう面白さ。たまに声に出して笑ってしまう場面も。無謀なこの潜入捜査が実話なんて凄すぎる。過去ではなく、今目の前にあるヤバすぎる現実を目の当たりにさせられた。“いつの間にかそう扇動されている”という世界の危機を感じずにはいられない。
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