kazata

存在のない子供たちのkazataのレビュー・感想・評価

存在のない子供たち(2018年製作の映画)
5.0
レバノン版『誰も知らない』と言っても過言じゃないでしょう。
かつての柳楽くん同様に、主人公ゼイン(役のゼインくん)の力強い眼差しが印象的で良き!
(そんな本作が今年度のアカデミー賞外国語映画賞部門で、是枝監督の『万引き家族』と競い合った縁というのも感慨深い…)
(演技経験の無い子役を抜擢し、ドキュメンタリー要素を織り交ぜながらフィクション世界を描いてみせる辺りも是枝監督に似たスタイルなんだけども、実際にキャラクターと同じような境遇にいたゼインくんをキャスティングし、当事者に演技をさせているもんだから、もう是枝監督を凌駕しているとも言えるわけで…)
(さらに初期の是枝監督作品にあった“瑞々しさ”も感じられて……ってことは個人的に大好き!)

ある意味で難民よりも悲惨で過酷な状況下に生きるゼインくん。
両親(含む大人たち)も神様も信じられない状況だなんて悲し過ぎます。
貧しさから子どもを売る……とても悲しいことだけど、日本でもそんな昔じゃない時代まであったことだし、無戸籍な子供だって現代日本においても少なからず存在するわけで、、、この映画を安易に他人事として済ますことはできませんね。
(僕たちが生きる世界は“最優先で子供が守られる社会”であって欲しいもんです…)


今年度アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品はどれも高レベルで面白かったんで大満足!こうなったら唯一の日本未公開作のドイツ映画『Never Look Away』も見たいってば!!
(…と思ったら上映尺が3時間オーバー!このまま未公開くさいなぁ)
kazata

kazata