ラブストーリー風ではあるが一方で「男たちの挽歌」を彷彿とさせる「世の流れから振り落とされてしまった男女のその後」を静かながら残酷に描いた、観ていて終始どこか体内がキリキリ痛み続けるような作品。三峡ダムで沈みゆく街？あれこの女優さん？と思ったら「長江哀歌」と同じ監督さんで、ノスタルジックなその雰囲気には至極納得。序盤では男のほうが燃え上がっていたかと思いきや、中盤以降静かにそして永遠にくすぶり続けるかのような執念にも似た女の愛、そして一方男は...というのに現実を見させられた気分になった(笑)。それにしても、ほんの一瞬成り行きで飛び込んでしまった別の世界線がここまでシビアで悲しいものになるとはなあ。
