帰れない二人の作品情報・感想・評価

上映館(8館)

「帰れない二人」に投稿された感想・評価

BB

BBの感想・評価

3.3
電子機器の違いが時代の変化を如実に語る、それにしてもこれみよがし過ぎでしょ。最後のLineは笑ったけど。大きな流れは良いし、それなりに途方に暮れるんだけど、やたら細部が気になる。バイクタクシーの男も、新恋人も、道中に出会うインチキ男も……なんだかな。若者たちも微妙。重要人物じゃないのはわかる。それにしても帰れない二人以外の全員がのっぺりし過ぎている。
今年のベスト!何より主演の二人、チャオタオとリャンファンの佇まいが素晴らしい。特にチャオタオの伸びた背筋、只者ではない雰囲気を醸し出している!
列車の中でUFOの話が出た時、賈樟柯ならUFOが本当に出るシーン撮るなと内心思ったら、本当に撮ってくれた~~

殴り合いの重厚感も良い。パンチが重い。車の窓ガラスごと突き破ってぶん殴る!

刑務所出たチャオタオがリャンファンと再会する時の背景の夜の波止場、交わらない視線も良かった~

いいシーンあげたらキリがない映画。
まず最初のチャオタオが雀荘に入ってきて目を合わせることもなくリャオファンの傍に座るあたりが脱出の二人のように息が合っていて、かっけ~!一つの拳銃が二人を引き裂くことになるが、それをあの丘での試し撃ちの顔を背ける一発で見せてしまうのも演出がすごすぎてしびれる。この世界では渡世人は渡世人として生きていくほかはなく、ある時点でそのことに気づいた女は列車を降りて渡世へと引き返し、またそれが出来なくなった男は去るしかない。完璧。
ふ

ふの感想・評価

3.5
劇場鑑賞125本目
中国の裏社会で生きる二人の男女を3つのパートに分けて、中国の街並みの変化や愛が移ろいゆく様を丁寧に静かに描いていて、愛なのか情なのかわからないものでずっとギリギリ繋がっているような二人の関係性がもどかしくてなんとも言えない悲しい気持ちになる
チャオはとにかく逞しくて転んでもタダじゃ起きないような感じですごいカッコいい
YMCAエンドレスリピートのフロアで、踊り狂っていた日々は過去。携帯をスマホに変えても、目まぐるしく発展を遂げていく中国という国家に、心がついていかない人たち。

チャオ・タオさんの時を超えた演技、再び。でも「罪の手ざわり」とか「山河ノスタルジア」ほど、胸に突き刺さることはなかった。A列の座席が近すぎてちょっと首痛めましたがな
湯呑

湯呑の感想・評価

4.7
ジャ・ジャンクーの新作である。という事で、今回も主演は伴侶でもあるチャオ・タオが務めている。映画監督が自分の奥さんを主演に使い続ける、という意味で、伊丹十三と宮本信子を思い出してしまう。特に今回は、チャオ・タオが『マルサの女』みたいな変なおかっぱ頭になるのでなおさらだ。一度くらい、別の女優を使って映画を撮って欲しいものだが…
まあ、それはともかく今作は時代の流れに翻弄される男女の愛を描いた『山河ノスタルジア』に『罪の手ざわり』の仁侠映画的な要素を盛り込んだ作品で、ここ最近のジャ・ジャンクー映画の集大成という趣がある。経済発展によって大きく変貌していく2000年代の中国を舞台に、その変化のスピードに追い付こうとする者と抗おうとする者の運命的な交わりを描くのは、ジャ・ジャンクーの一貫したモチーフだが、本作では環境問題による火力発電の衰退と水力発電など自然エネルギーへの転換、という我が国にとっても他人事ではないテーマが取り上げられている。
これは別に中国に限った話ではないが、エネルギー政策の選択と実行が国家に委ねられている以上、いったん方針が決まったとなれば、その施策は民衆の声など一顧だにせず、圧倒的な勢いで流れていく。その流れに呑み込まれる者もいれば、上手く立ち回って利権を貪る輩も現れる。石炭価格が暴落して失業者が溢れ返った大同の街と、水力発電の為にダムの底に沈む事を運命づけられた奉節の街が、本作の舞台となっている事は重要である。要するに、大同から奉節に至る、本作の主人公チャオとビンの旅は、敗残者の街を移ろっているに過ぎず、最初から敗北を運命づけられた存在なのである。
とはいえ、いずれ時代に取り残され惨めな敗者になるとしても、人によって敗け方には様々なかたちがある。故郷に戻り、チャオと家族を営む事を夢見るチャオは、原題通りの「灰」になり、時代の大きなうねりの底に沈み込む事を望んでいる。逆にビンは、水力発電事業によって大儲けしている知人を頼り、一獲千金を狙う。チャオの父親が石炭工である事を考えれば、彼女は火力発電所の「火」の属性を有していると言えるだろう。であるが故に、チャオはビンの「水」の属性と反発せざるを得ない。
この映画には拳銃という「火器」が登場するが、それを発砲するのは「火」の属性を持つチャオである。この発砲事件により、チャオとビンは刑務所に収監され、それまでの彼らの関係は壊れてしまう。先に釈放されたビンはチャオを捨てて一人去ってしまうのだ。男の愛を諦められないチャオはビンを訪ねて奉節へ向かう。
ビンを追うチャオの旅路は、彼女の持つ「火」が「水」に浸食されていく過程だとも言えるだろう。船旅によって河を渡り奉節に辿り着いた彼女は、水の入ったペットボトルを後生大事に持ち歩き、時には身を守るための武器として使用する。彼女がスケベ親父に誘われる爆笑もののシーンでは、全てを洗い流すかの様な大雨が降り続け、ビンとの逢瀬も海辺の桟橋上で行われる。彼女は、自身の属性を「火」から「水」へ書き換えることで(それはまるで、中国国家のエネルギー政策の転換の様だ)、男の愛を取り戻そうとするのだ。しかし、ビンはチャオの目前で紙を燃やし跨がせる事で、彼女が「火」の属性から逃れられない事実を突きつける。
火力発電から水力発電へ、という国家的政策の変遷を男女の恋愛関係に結び付けた点に本作の独自性がある。やがて、映画は既に世界一の発電国となった2017年の中国を映し出す。アルコールの過剰摂取によって歩行障害を患ったビンと、ビンが大同で営んでいた雀荘を引き継ぎ、オーナーとなったチャオは束の間の邂逅を果たすが、彼らは既に時代から取り残された敗残者として生きるしかない。やがてビンはチャオの前から姿を消す。その時、彼女は何を思うのか。防犯カメラに映ったチャオの姿が大写しになるラストシーン。粒子の荒い画像からは、彼女の表情はぼやけて分からない。個人の生そのものが現代中国の管理体制に取り込まれている事を、ジャ・ジャンクーはここで示唆しているのだろうか。
kitamai

kitamaiの感想・評価

3.0
映像綺麗だった
どうしても過去のチャオが…んん〜というかんじ。

ハマりはしなかったなぁ
メモ

感想難しい
二人の恋愛模様は胸が張り裂ける思いだったし、役者二人が良かった。

演出の歌や、歌を口ずさむ演出がロマンチック寄りで狙いすぎて私は受け付けなかったし、しつこく感じた。

初めてこの監督の作品を見たので新しい感覚を覚えた
sai

saiの感想・評価

3.8
らしさ全開でした。何とも言えない奇妙な演出に戸惑い、自分でもよく分からない感情が出てくる。それを楽しむのがジャ・ジャンクー映画だと思ってる。
カッコつけたがり男の気持ちは、よく分かる。
中国の地方のヤクザの二人が時代の変化で人生も変化して行く。
昔は葬式で社交ダンス踊ったねー、とか思うのかな?これって中国あるある?
時代の変化に翻弄される人生もの、最近中国作品に多くない?
急激な発展でこんな感じの映画が多く作られるのかな。
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