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バハールの涙のtheocatsのレビュー・感想・評価

バハールの涙(2018年製作の映画)
2.8
拉致強姦虐待→クルド民族女戦士達の逆襲劇

イラククルド人居住区にてIS(イスラム国)による民族浄化に見舞われたクルド人たち。
成人男子は皆殺し、子供はIS兵士養成学校に送られ、女たちは性奴隷として売り飛ばされる。
そこから逃げ出した女たちによる戦闘部隊が結成され、子供たちを奪還するため敵陣に攻め込む数日間がフランス人女ジャーナリストの視線も交え語られる、といった体裁。

雰囲気出しは悪くないが、戦闘場面などの緊張感・緊迫感・迫真性は若干薄目。
以前にも女性だけの戦闘部隊映画を何作か見たことはあるが、どうしても女性は柔らかさと優しさが前面に滲み出てしまって、戦場の殺伐感にこれほどそぐわないものはないと感じざるを得なかった。
本作でも戦場前線における異常な雰囲気を女性リーダーが察知したにもかかわらず、他の女性戦士たちが全員で歌い始めるなど締まりを欠く場面があり。

しかし、本映画のメッセージはそういった戦闘場面の迫力などといったことではなく、彼の地で何が行われてきたのかという史実を伝えようとする点にあるのは明白。
とはいえ史実ベースであってもフィクションも盛り込まれているだろうから、そこらへんは各自周辺事情を確認する必要はあるかも。
私も投稿後にいろいろ調べてみます。

映画的な面白さがあったとは言えないが、クルド族の悲劇を視覚化させてくれた点に感謝。
002107
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