衣織

バハールの涙の衣織のレビュー・感想・評価

バハールの涙(2018年製作の映画)
4.6
女、命、自由の時代

ISに家族、尊厳を奪われた女性たち。
女性という言葉はこの作中では正しくない。妊婦、少女、赤ん坊、その全てが略奪され、奴隷として売買され、強姦、拷問を受け、アイデンティティを失う。
逃げ出した女性たちは闘うことを選んだ。

彼女たちが自らを鼓舞する歌のシーン、泣きながら4回繰り返してもなお、魅入ってしまう。

"私たち女がやってきたぞ"

これほどまでに女性を残酷に、勇ましく、
美しく描く映画とは今後出会うことはないだろう。
そして、世界のどこかではこのような女性たちがいること、その事実から目を背けてはならない。
ISが宗教的弾圧を選び、銃を手にした理由は結局語られない。論ずる価値すらないからだ。
そんなもののために銃を手に取る世界にしてはいけないと、深く感じた。
衣織

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