ディグ

イメージの本のディグのレビュー・感想・評価

イメージの本(2018年製作の映画)
4.0
映画というより
元々、映画評論を
やっていたゴダールが
原点回帰して
映像や音楽、
ナレーションを
散文形式的に
使った論文を
つくりました。
っていう感じなので
ゴダール初心者には
厳しいかもしれません。

やっていることは
様々な映像の
コラージュ。
蓮實重彦あたりが
大絶賛しそうな
小難しさがあるので
映画ジャンキーにのみ
響く作品です。

しかしいまこの時代に
ゴダールの新作を
観れるという
貴重な体験は
間違いなく語り継げるので
ある意味貴重です。

ただし
映画的な文法の破壊や
斬新な構成、
ナレーションの
かっこよさに関しては
もはや古臭いのも
否めない。

左右両側に別の
ナレーションを
入れたりってことも
真新しさは
感じないのですが、
ゴダール節は
感じます。

そこをかっちょいいと
思えればあり。

んでもってたぶん
編集は
FINAL CUTか
アビッドあたりで
雑にやってる。
おそらく
テレビ画面に写した
素材を、ブラウン管越し
などで撮影してる。

てな具合なので、
新しいというより
古い。

音楽のとぎれとぎれは、
まるで
ダンスホールレゲエ
のように、
途中でぷっつり止める。

こういう演出に
いちいち
かっちょよさを
感じるかどうかが
問題ですな。

話は変わりますが、
松本人志が
「既存の映画では
やってないことに
挑戦する」的な言い訳を
毎回してるけど、
80歳すぎて
いまなお問題作を作る
ゴダールを一本でも
観たことがあるんすか?
って思います。

あなたがやってることなんて
すでに、やりつくされて
ますけどね。って。
ディグ

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