birichina

ドッグマンのbirichinaのレビュー・感想・評価

ドッグマン(2018年製作の映画)
4.5
「ゴモッラ」を観ていたので暴力シーンについてはさほど驚かなかったが、犬用の台は監督のアイディアか??(恐ろしい~)

見終わった時「窮鼠猫を噛む」ということわざが思い浮かんだ。

マルチェッロが情の厚い人間だということは、危険も顧みず、冷凍庫に入れられてしまったチワワを助けに行くエピソードからよく分かる。残念なのは、マルチェッロが地区の嫌われ者シモーネとの関係を断てない理由、他の仲間よりもシモーネを大切にしてしまう理由が描かれていないこと(たぶん見落としていなければ)。それが分かれば、もっとマルチェッロに肩入れして観ることも、あるいはその逆もできるので、見ている側の気持ちの落としどころがあるのだが、分からないために消化不良感が残った。マルチェッロとシモーネは少年時代からの付き合いなのだろうか? シモーネの母親は地区に住んでいるので、シモーネはこの町の人間なのだろう。だが、マルチェッロのことは語られていないように思う(娘と話している時「カラブリアに行ったことはない」とは言っていたが)。マルチェッロはシモーネにいじめられ続け、大切な仲間の信用も失い、心が壊れていったのだろうというのが感想。

イタリア語の辞書で「犬」を引いてみると「悪人、いやな人間、情け知らず、無能な人、ちくしょう」と出てきた。タイトルはこのような意味を含んでいるのだろう。そういえば「警察の犬」のような表現もイタリア語にあるので、マルチェッロ=シモーネの犬 みたいな意味もあるのかも。

どうでもいいことだが、気になったこと:①仲間たちもみんな悪人顔だった。②セミヌードで天使の格好をしたホステスがいるディスコ(?)にいた客が年寄りばかりで驚いた。
birichina

birichina