KATO

アメリカン・アニマルズのKATOのレビュー・感想・評価

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
3.5
「俺たちは普通のやつらとは違う」

あるある~!とうなずくし、共感もする。しかし、私は強盗はしたことがないので。
キラキラして、どうしようもないやつらを描いている映画だなぁと思う。まごうごとなき青春映画、でもどうしようもなくバカだから悲しい。

イベントは計画するまでが楽しいと思う。強盗じゃなくても、楽しいことは決めているときが一番楽しい。文化祭も当日より、準備期間のどうしようもない会話ばかり覚えている。
実行しなければ、目標をかなえた姿で「バカなこと考えたよなー」と笑えていたかもしれないのに。4人はそうならなかった。

犯人たちのインタビューがセリフに重なって、記憶もバラバラで。結局人間は、自分に都合のいいようにしか覚えていないのだろうと思った。自分にとって、都合のいい、というか、美しい様式で覚えているんだな。
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映画だからこそできる演出にワクワクした。インタビューが本当に、本人たちが生きているからこそできる演出だよなぁと思う。伝記映画だったら絶対無理だし。偉業を達成した人でも、ドキュメンタリーじゃないんだから無理。
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彼らは面白かったことがしたかっただけなのだろうか? 少なくとも、あの絵を目にした彼は、絵の持つ力に引っ張られたんじゃないかと思った。
スクリーンで、実物を見ていない私も、何か揺らぐものがあって、作品の恐ろしさを感じた。不思議な魅力がある絵だった。いつか、実物を見てみたい。
KATO

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