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ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうたのmsのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

医師を目指すしっかりものの娘と、親子でバンドを組むという夢を見る子供のような父。
ジョン・カーニーの『はじまりのうた』しかり『シング・ストリート』しかり、音楽を作る人たちの映画ってなんでこんなに良いんだろう?
LGBT描写がいい意味でこんなに「どうでもいいこと」として描かれているのも初めて観たかもしれない。ジェンダーについて言及しないそのバランス感覚も好きだった。パパが娘に「彼女ができたのか?」って当たり前な感じで聞くシーンが新鮮。

トントン拍子にいろんなことが進んでいって、挫折や障害にぶつかることなく成功していく展開はちょっと物足りない。けど、作り出される音楽がめちゃくちゃ良い!そこの質の高さで単調さがかき消された。未成熟だけどソウルフルで色気のあるサムの歌声に魅了される。

自分の夢を子供に押し付ける父親って本来ならかなり嫌いな設定なはずなのに、このパパはやたらチャーミングで憎めない。ご機嫌とりにウーピーパイを買ってくるお父さん、可愛いなあ。こういう父娘の関係ってすてきだ。
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