長い作品だけど、飽きずに見ることができたし、これまで一番ムカつく主人公だった。
「オレは親父とは違うんだ」というプライド、文学にたいしての理想を振りかざす様が滑稽というよりムカムカした。ただ、後半の導師二人との問答はプライベートに絡む内容で主人公が丸裸にされるようで少し悲しかった。
教育がないがしろにされ、教師の職に就くことの難しさ、大学を出ても大事にされないことなど社会問題も自然に盛り込まれており素晴らしい。
最後の方の雪の降る光景は素晴らしく美しい。
曲を書いて歌う自分として、主人公の小説が全く売れないというのは身につまされる思いだった。そこからの父親と交わす会話が切ないし暖かいしよかったな。
空想と現実が錯綜する演出と自然だった。ラストシーンが本当にすごい。個人的に今年ベストの終わり方だった。