ちびねこ

フォルトゥナの瞳のちびねこのネタバレレビュー・内容・結末

フォルトゥナの瞳(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ピュアな恋愛映画の王道…
一見、そう見えるんだけど全然 違って。

慎一郎は幼い頃に飛行機事故に遭い両親を失くし、今は自動車塗装工として働いています。
そんなある日、自分が他人の死を察知する力「フォルトゥナの瞳」を持っている事を知ります。

実はこの冒頭の飛行機事故についてなんだけど、映画ではその描写が詳しく書かれて無くて、一体この事故で何人生き残ったのかが全く分からない。
自分と同じ年頃の少女が助けを求めているのを見たのに助けられなかった(と、思い込んでいる)事もずっと引きずったまま生きて来ました。
ここ、慎一郎が飛行機事故で沢山の尊い命が奪われたのに自分は助かってしまった事についてどれだけ心を痛めていたのかが映画ではいまいち分かりにくい。
原作にはそこが凄く丁寧に書かれているみたいで。
慎一郎が持つ力は、他の人間の運命を変えると自分の命を削ってしまいます。
それでも助けてしまうのはどれだけ自責の念に駆られていたのかが痛いほど伝わって来ます。

そして、ふとした事から出会った葵もまた慎一郎と同じ力を持っていました。
ふたりは恋に落ち、幸せな時間を過ごして行くのですが…。

いちばんの疑問はなぜ、葵は最後まで自分も同じ力があることや、飛行機事故のことを話さなかったんだろうか?
そうすれば、慎一郎の傷付いた心も少しは癒されただろうに…。

ラスト、お互いに相手を思いやる気持ちが結局は慎一郎を死に追いやる結果になるんだけど。
慎一郎の葬儀の後に、あの時に捨てられなかった指輪と自分の気持ちをしたためた手紙を読んだ葵の少しふっきれたような姿も意外でした。

全く関係無いんだけど、志尊淳がイケメン過ぎて思わず胸キュンしちゃいました(笑)
ちびねこ

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