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天国でまた会おうのkazataのレビュー・感想・評価

天国でまた会おう(2017年製作の映画)
2.0
いい素材(本作の題材)があって、申し分ない調理器具(迫力ある戦場シーンや戦後の街並み)がそろっていて、風味豊かなスパイス(見ていて楽しい仮面)もあるし、レシピ(描こうとしていること)も完璧(理解できる)……当然文句なしに美味しい料理が出てくるもんだと思っていたら、「なぜこうなった?」とマズかった(口に合わなかった)……
でも仕上げのソース("エドゥアールと父の再会"を含む物語の結末)がそこそこ美味しかったんで、最終的に誤魔化された感じはするけど、、、いやいや、やっぱりレストラン(作り手)側が終始「文句なんて言わせねーよ」的な上から目線なのも気に入らない!(だったらちゃんと美味しい料理出してよ!)

結局全てはシェフの腕前の問題。
例えば本作を(ジャン=ピエール)ジュネ監督が撮っていたならば、全ての面でこちらの想像を軽く凌駕してくれただろうことは容易に予想できるわけで。(鑑賞前のこちらの予想を上回る"何か"は結局無かったかな…)

最後までノリきれなかった原因はキャラクター描写の問題かと思う。

まずは語り手のアルベール!"バカ&愚図系純朴キャラ"として一貫して結構ムカつくレベルでした。(特に"嘘"の使い方が効果的でない…)

顔面損傷エドゥアールも全ての動機と葛藤とそれらに対してのアクション(例えば、もっと薬物依存しちゃうとか…)が弱い(安易!)…だから憎むべき父親との再会シーン&その後の選択が軽く(都合よく)見えてしまう。
どうせなら(スター・ウォーズの)カイロ・レンぐらい振り切って欲しかった。
そもそも顔面損傷後(その見た目によって)決定的に"社会から拒絶される"シーンを描かなきゃダメじゃない?

そして少女!単に(作り手側にとって)都合がいいだけの安易なキャラ過ぎ!!(ついでにアルベールが惚れる女も!)

……やっぱり"でしゃばり"アルベールが好きになれないのが全ての元凶!と思ったら彼が監督・脚本・主演(エドゥアールの方が主演扱い?は違うでしょ…)だったんですね。(自意識過剰の典型例!)
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